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日本は(弾道)ミサイル防衛できるのか?(成功率・課題・迎撃方法)

1998年(平成10年)8月31日に北朝鮮の弾道ミサイル

テポドン1号(射程1500km、重量33トン、全長25.8m)が

日本列島を横断して太平洋に落下した為、日本にミサイルが

誤って落下する可能性がある事を考えて、2003年12月19日

安全保障会議において、「日本版弾道ミサイル防衛(BMD)」

のシステム導入が決定されたのが始まりです。では、本当に

ミサイルが飛んできても防衛できるのでしょうか?早速、

ミサイルの迎撃方法・課題をまとめてみました。


弾道ミサイルの意味・種類・課題について

弾道ミサイルとは、放物線を描いて飛翔するロケットエンジン推進

ミサイルで、高々度(大気圏外-高度約120km)から

垂直に近い角度で高速落下します。種類は以下の3種類があります。

種類 射程 飛行時間 再突入速度
短距離
弾道ミサイル
約1,000km以下 約5分〜10分 1〜3km/秒
(マッハ2.9〜8.8)
中距離
弾道ミサイル
約1,000〜
5,500km
約10分〜20分 3〜7km/秒
(マッハ8.8〜21)
大陸間
弾道ミサイル
約5,500〜
10,000km
約20〜30分 7〜8km/秒
(マッハ21〜23.5)

※北朝鮮-東京間は約1,300kmとなっています。

上の図を見ればわかりますが、中距離弾道ミサイルのスピードは秒速5km

を超えており、人間の目では追いきれない程のスピードとなっています。

その為、迎撃を成功させる為には、

@超高速で飛んでくるミサイルをピンポイントで命中させる為の精度

A発射からわずか数分で飛んでくるミサイルを瞬時に探知し、

迎撃ミサイルを発射できるスピード

B超高度(大気圏外)を飛ぶミサイルをピンポイントで
命中させる為の技術

Cわずか十数メートルの小さなミサイルに迎撃ミサイルを
命中させる為の技術

というような4つの課題があります。

このようにミサイル迎撃にはものすごく高度な技術が必要となりますが、

現在、日本では80%を超える確率で迎撃が可能な所まで来ています。


弾道ミサイルの迎撃方法(過程・成功率)



日本でのミサイル迎撃方法としては、イージス艦による中間段階(ミッドコース・フェイズ)

でのミサイル迎撃
と、パトリオットPAC-3システムによる最終段階(ターミナル・フェイズ)

でのミサイル迎撃を行います。

イージス艦のミサイル防衛システムでは半径1,200kmもの広域範囲の防衛が

可能であり、2隻のイージス艦で沖縄を除く日本国土、全てをカバーできると

しています。このイージス艦のミサイル迎撃率は80%を超えています。

そして、イージス艦での迎撃が失敗してしまった場合は、

パトリオットPAC-3システムでのミサイル迎撃を行います。

パトリオットPAC-3システムは現在、北海道千歳青森県三沢

埼玉県入間岐阜県岐阜福岡県春日沖縄県那覇の5ヵ所に設置されて

いますが、有効範囲が狭い(射程:15〜20km、射高:15〜20km)為、

あくまで軍事拠点を守る為の設備となっています。現在、

PAC-3システムの迎撃率は85%を超えています。

つまり、PAC-3が設置された地区であれば、97%以上の確率でミサイル

を迎撃
する事ができるのです。


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